Jリーグ発足に際し、事務局は1993年5月15日(土)に行われる開幕戦の盛り上げに特に力を入れていました。

開幕初年度のJリーグ日程は、当時の全10チームにより毎節5試合を水曜日と土曜日の週2回開催となっていましたが、開幕戦に限り、例外としました。

開幕戦のカードは、1980年代からJSLの2強として、人気や実力が抜きん出ていた読売サッカークラブと日産自動車サッカー部を母体とするヴェルディとマリノスが選ばれました。

また、この試合のチケットは特別な取り扱いで販売されました。購入希望者は事前に郵送で購入申し込みを行い、当選者がチケット代金を振り込むと購入者の名前が印刷された特製のチケットが郵送されるという、前代未聞の扱いでした。これは観戦者の記念になるようにと計画されましたが、結果としてダフ屋行為を防止する効果もあったようです。この開幕戦の人気は当然高く、抽選は高倍率となりました。

また、この試合はヴェルディ主催試合でしたが、ヴェルディの当時の本拠地である等々力陸上競技場ではなく、日本サッカーの象徴となる場所として、Jリーグのクラブがなかった東京都内の国立競技場が選ばれました。

Jリーグは「地域密着」の理念を掲げ、各チームに自らが本拠地とするホームタウンを重視した活動を行うようにとなっていましたが、この試合だけは特別扱いでした。

そしてJリーグは「サッカーの王様」ペレや、メキシコ五輪で日本の銅メダルに貢献した、「日本サッカーの父」デット・クラマー氏などの来賓を招きました。